2018年7月、プリンスルートを使って富士登山
2018年7月13-14日の2日間を使い、富士山を登ってきた。
登ったルートを、持参したGPSでなぞってみると、鳥の形のようで面白い。
僕が歩いたルートは、一日目はこの鳥のお尻の方から上がって、背中を登り、八合目の山小屋で一泊。二日目は首のところまで上がってから頭をぐるっと時計回りに回って、胸の方から降りてきた。登りは、所謂「プリンスルート」を登り、下りは、富士宮ルートを下りた。其々違った体験をして富士山を楽しむことが出来た。
僕は、今年68歳。過去に2回、富士登山の挑戦を行ってるが、3度目にしてやっと山頂まで行けた。
最初の時は2013年8月30日(左の写真)、吉田口ルートから登ったが、登る際、既に山頂は傘雲が上空にあった。7合目到着の頃には、高山病の為か、頭痛が酷くなり、登山道を吹く風も強く、天候も不順だったので7合目の山小屋で一泊した。早朝4時頃、山小屋を追い出されたが、山頂は相変わらず傘雲で覆われていた。友人と相談し下山した。その前日、登っている際に見かけた若者2名が、五合目のバス乗り場に居たので、どうしたのかと問うと、山頂の風速があまりにも強いので、8合目で下山させられたとの事だった。この時は早めに下山の判断をして正解だったのかもしれない。
私の2度目の挑戦は昨年の秋(2017/9/9)(左に添付したログ結果と宝永の噴火口の写真)、夜中に登るのは体力的に厳しいからと、朝、登山スタートして、その日のうちに降りる弾丸登山に誘われ、富士宮登山口から登った。
誘ってくれた彼らに遅れないようにと同じペースで頑張った為か、8合目に到着した頃には、膝が痙攣して登り続けるのは無理と思った。それで、僕は山頂まで行くのを断念して、友人たちと別れ、一人先に下山した。宝永の噴火口に立ち寄る元気を取り戻したが、もし、無理をしてもう少し上まで登っていたとしたら、スムーズな下山はできなかったかもしれない。
今回は、3回目の挑戦である。平日でもあり、時期は7月中旬で、人気の低い富士宮ルートなので、空いている。「富士登山は初めて」の友人と2人で登ったが、友人は健脚でもないし、僕は高山病になって頭が痛くなったり、気分が悪くなるのも嫌だ。
それで今回の登山では、途中の山小屋(赤岩八合館)で一泊し、焦らずゆっくり登って山頂を目指すことにした。このルートの山小屋は少ないので、もしこのルートを歩くのなら、事前に予約しておくのが良さそうだ。
登頂ルートは、僕のこれまでの2回とは違い、富士宮ルートでスタートするが、六合目から宝永の第一噴火口を通り、馬の背を通って、御殿場ルートに合流する、プリンスルートを歩くことにした。
乗用車を水ヶ塚公園の駐車場に停め、シャトルバスで富士宮口五合目に到着後、レストハウス内の食堂で早めの昼食を摂った。
時刻は11時過ぎ頃だったので、食堂も空いていて、注文してから間もなく食べる事が出来た。僕が注文したのは「デミグラソースハンバーグ定食」。値段は確か@1000円だったように思うが、これは美味しく正解だった!昼食を食べてから出発する方には、お薦めの一品だね。
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食後、ほんの少し休憩し、準備運動のストレッチをしてから、レストハウスを出発した。
山小屋は、8合目の赤岩八合館を選んだ。朝食を摂り、それから山頂を目指すことにした。
事前に収集した情報から、各アクセスポイントの標高値や標準歩行時間をGoogleSpreadsheetでリストにして持っていった。これならスマホで確認することが出来る。このリストには休憩時間は入れなかったが、アクセスポイント間の時間を入れておいたので、標準時間に対する遅れ進みが簡単に把握できたのは便利だった。
下山後、GPS のログデータや、撮影した写真の時刻を確認して、リストに到着した時の時刻を書き入れた。
左側の写真が宝永の噴火口へ行く分岐点。
右側の写真は、宝永の噴火口に下りてゆくところ。
富士山での景色は他の山に比べると単調だが、今回選んだルートは、宝永の噴火口を通るので、これまで二回の経験とは少し違った景色の面白さがあった。
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噴火口の底まで行って、登りに変わると、大きな石がゴロゴロしている他のルートとは違って、今度は細かな瓦礫が脚力を落とす。
そんな場所ではあるが・・・テントウムシが居て、疲れを癒してくれた。
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焦って急いで登って高山病にならないようにと気を付けながら、友人の歩調にも合わせて、そして登っているという実感を楽しみながら登った。
「馬の背」という場所に着くと、はるか前方に山頂が見えた!
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しかし、八合目の赤岩八合館見えていたように思うが・・・、遠くて高い位置にあることを実感する。頑張って歩いてもなかなか山小屋までの距離が縮まらない。
少し後方に居たグループと、最初は一定の距離を保って歩いて居たが、時間の経過と共に、徐々に彼らとの距離が詰まってきて、抜かれてしまう・・・。でも空気が薄い為か、頑張りが効かないので、抜かれた悔しさがいつの間にか消えてしまう。
八合目に近づくと、上の方から「もう少しだ、頑張れ!」という声が聞こえてきた。声援は、自分たちに対するものでは無く、僕たちが馬の背辺りで追い越された、10人ほどの学生たちのグループのものだった。でも元気な掛け声を聞くと、「ヨッシャ!」頑張ろうという気持ちになる。
赤岩八合館は富士山の南東斜面にあるので、沈む夕日は見られないが、誰かが「今しか見られないものが見える!」という言葉を聞き逃さず、山小屋から「影富士」を見る事が出来た。
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夕食は山小屋定番のカレーライス。17時から食事スタートだったが、テーブルも一杯で順番を待って並んでいる人も多く、人波が引くまでしばらく待ってから食べる事にした。
山小屋の中は個室は無く、寝床のスペースは、3層構造のようになっていたので、かなり多くの人が宿泊できそうだった。
僕は、夜中、お腹の痒みで目が覚めたが・・・どうやら寝ている時にダニにお腹をやられてしまったようだ。
ご来光は、水平線辺りに雲があり、太陽は綺麗には見えなかったが、山の上方から望む日の出は、良いものだ!
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前日の疲れや、高山病の症状もとれていたので、朝食はお代わりして十分にエネルギーを補給し、この日の山登りに備える事が出来た。
山小屋の中には、皇太子が立ち寄った際の写真が飾られていた。
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山小屋を出発、未だ3時間以上登りが続く・・・後で確かめたら、表に記載したように、休憩時間を入れて、4時間43分もかかっていた。朝食でエネルギーを蓄えた筈なのに、酸素が薄いのが効いて力が出なかった。
また、携帯用酸素ボンベを使ったが、効いているような感じがしなかった・・・
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ようやく、山頂の鳥居が見えた!この時は、遂に到着したと感動した!
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《装備と所持品》
身に着けるものは、基本的に化学繊維100%のものにすること。綿は乾いている時の着心地は良いが、汗をかいてしまうと乾くのが遅く、体力を消耗する原因になる。
・長袖Tシャツ(化繊100%又は化繊とウール混紡が良いね。僕は、マーモットのAdvanced Wool MJK-F1044A。 殆どの場合、これ1枚で過ごした。)
・パンツ(伸縮性のある少し厚みのある生地がお勧めかな・・・。僕はモンベルのクリフパンツ#1105498 を着た。)
・レインウェア(上・下)念のためノースフェースのゴアテックス製のものを持って行ったが、使わなかった。
・ウインドブレーカージャケット
僕はTERNUA製のジャケット(#50033005)を着た。
ゴアテックスのレインウェアをウインドブレーカと兼用でも良いね
・手袋(岩の角で怪我をしないように・・・、また日焼け止めも兼ねられる)
僕は面倒だからってしていなかったら、日焼けで酷い事になった。
・サングラス(紫外線からの目の保護)
・登山靴(軽い登山靴が良い。長い下り坂で、足の爪を痛めないようにするため、自分の足の長さより1.5cmぐらい長めがよい。)
僕が使ったのは、モントレイルのハイキングシューズ シエラバダミッドアウトドライGM2221 27cm。 僕の足は25.5cm 4E超だが、薄めの靴下で足にフィットし、登り下りでも快適だった。
・靴下(靴と合っていれば多少薄くても良いと思う)
・バッグパック
僕のは、グレゴリーのZ30(30リットル)
・ゲーター
僕は登山前日、これが見つからなくて持参するのを断念しました。無くても大丈夫だが・・・あれば靴の中に小砂利が侵入するのを防げるだろうから・・・
・帽子(僕は丸刈りの頭のままで、帽子も被らず登ったが、日除けにもなるしあると良いかもね。)
・手ぬぐい・ハンカチ(汗を拭ったり・・・)
・ヘッドライト
早朝暗いうちから山頂まで登るためには、絶対必要。また、登山で計画以上に時間が掛かり暗くなった場合には、これが無いと移動できないからね・・・予備の電池も必ず持参する事。
・懐中電灯
僕は、Amazonで買った WIBERTAの小型LEDライトを持っていった。
大きさは、直径2.6cm、長さが10cm程度。単三乾電池で作動するが、充電式電池 14500 800mA 3.7V を入れて使うと、とても明るくて便利。光の拡散も調整できる。山小屋で消灯後使うのに便利。
・水(僕の場合、500ml x 4本。途中の山小屋などでは補給せず下山まで。)
・携帯食・飴など(注意しないと、暑さで溶けてしまうかも・・・)
・ストック(僕は上りでは殆ど使わなかったけれど、下りでは大変役立った。)
・酸素缶(持って行ったが、個人的には効果を感じなかった。)
・山小屋での着替え(汗で身体が濡れていると、眠れないので、持参した方が良い。)
僕は、登っている時、殆ど汗をかかなかったので、着替えはしなかった。
・薄手のダウンジャケット。山小屋で寝る際、布団はあるが、案外寒いので・・・これがあると重宝すると思う。また山頂で寒いときに重ね着するにも良い。
僕は登山中のTシャツの上にダウンジャケットを着て、その上にウインドブレーカーを重ねて着て、お布団に包まって寝ました。
・お弁当について
一日目は、早めの昼食を摂ってから出発し、夕刻には山小屋到着したので、この日の分のお弁当は不要。二日目は、山小屋で朝食を摂ってからスタートし、山頂・お鉢巡りを済ませた後、休憩所で携帯食としていたお菓子を食べてから下山した。それ以降、下山の途中でお弁当を食べる事は無かった。早めの夕食を『御胎内温泉健康センター』内のレストランで摂った。僕は、しらす丼を食べた。
・その他
バンドエイド(靴擦れやちょっとした怪我用に)、
濡れティッシュ と ティッシュペーパー、
頭痛薬(高山病で頭が痛くなった時の為に)、
その他常備薬、
日焼け止めオイル、車で行くなら「日焼け後のヒリヒリダウン ひんやりジェル」等あると良いと思います。
携帯用GPS(登山後、ログ記録を見る為)、
スマートフォン(富士山では殆どの場所で繋がるようです。ただ電池の消耗は早いようなので、通信しない時は機内モードにしておくのが良いかもね。)
登山で脚が攣ったりする人は、芍薬甘草湯を持参していると良いかもしれません。
・お土産
富士山頂の神社でしか買えない御朱印を、登る毎に購入するという人が居た。貴重で入手し難いものなので、そういうお土産も記念に良いかも。
《富士山の天気予報》
僕は、D-dayの10日ほど前から、何時登るかを決めるために、頻繁に天気予報を確認した。富士山は独立峰なので、予報が難しいらしく、1~2日の間にも大きく変化する。それで、下記にある4つの天気予報サイトを見ながら、決行日を決めたが、決行当日になって4~5日前の予報とあまり変わらなかったのは、①だったように思った。
今、残っている断片的な天気予報の記録を追記しておく。
①weather2 Local Weather Fuji Mountain Weather Forecast
英語表示
1週間ほど前からの期間について、3時間間隔の気象予報を表示してくれる。
2週間前でも表示出来るが、6時間間隔になる。
僕は下記3項目を主にチェック
・Precipitation Amount(降水量) → 僕は、2mmを越えると中止と判断している。
強行する場合は、1mm以下かな・・・
・Weather(天気)
・Temp(気温)
7/10日の 13日の予報は、9:00~15:00 雨時々晴れ 1mm程度
14日の予報は、9:00~15:00 午前中は0mm晴れ
②Yr Weather forecast Mount Fuji(Japan)
英語表示
7/7日の 13日の予報は、9:00~15:00 1.0mm雨
14日の予報は、9:00~15:00 0mm晴れ
7/8日の 13日の予報は、9:00~15:00 0mm曇り
14日の予報は、9:00~15:00 6.1mm晴れ後雨
③mountain-forecast.com
Fuji-san Weather Forecast, Japan
英語表示
6日間前までの予報で、天気図の表示がある。
AM(午前)、PM(午後)、night(夜間) の予報でしかない。
標高値と気温の関係が分かる。
④てんきとくらす 富士山(富士山山頂 3776m付近)
直近2日間は、3時間間隔で表示。3日目から8日目までは1日を纏めた表示。
登山指数 A(登山に適す)、B(風または雨が強く、やや登山に適していません)、C(風又は雨が強く、登山に適していません) で大まかな登山適否を表示。
7/7日の 13日の予報は、A
14日の予報は、A
7/8日の 13日の予報は、C
14日の予報は、C
7/10日の 13日の予報は、A
14日の予報は、B
《登山後の汗を流す立ち寄り温泉》
登山でかいた汗と疲をとるために、立ち寄り温泉へ・・・。僕が行ったのは、『御胎内温泉健康センター』。駐車した水ヶ塚公園駐車場からもそれほど離れていないし、東名高速道路御殿場ICとの中間地点に位置するのでアクセス的にも便利だと思う。料金は平日なら大人@500円。
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